理事長からのご挨拶

第50代理事長 織田 敦

 「青年としての英知と勇気と情熱をもって明るい豊かな社会を築き上げる」この想いを寒川町に広げていくために、1974年より当会議所が設立いたしました。高度経済成長期を経て、間もない時期での青年会議所活動は今よりも活動内容、会員数ともに現在とは違うボリュームであったというお話を諸先輩方から聞かせていただいたことがあります。それから50年という歳月が過ぎようとしているこの節目に、いま我々の住んでいる日本という国は大きな「壁」にぶつかっております。

 今まで誰も気にしていなかったような「ウイルスの蔓延」や「安全保障」というものがこれ程まで人々に不安や脅威を与え、さらには諸外国同士の戦争が日本国内の経済状況を一変させることとなりました。

 私はこの度50代理事長を仰せつかることとなりました。東京都墨田区両国に生まれ、大学時代で慣れ親しんだ海沿いの生活を求め、社会人時代を茅ヶ崎でスタートし、今から7年前にトレーナーとしての独立開業の地としてこの寒川町を選びました。

 健康であるから仕事もできる、健康であるから美味しいものも食べることができる、健康であるから好きなことができる。健康であることが全てを解決でき、健康に導くことが社会貢献である。とずっと想っておりました。もちろん今でもその想いは継続中ではございますが、ここ3年くらいの日本を見ていて少し見方が変わりました。それは新型のウイルスの蔓延により自身の健康を過剰に意識するあまり、周囲に目を向けることができなくなった大人が沢山いることに気づいたからです。

 ウイルスでの最大の犠牲者は命を落とされた方々です。しかしながらそれと同じくらい、未来ある子どもたちの「青春」の時間を犠牲にしたことが私にははかりしれない事であると感じています。この苦難を乗り越えて強くなる子どもも一部いると思います。しかしながら補助金や給付金などでは償いきれない「体験」や「体感」といったその年限り、その日限りの場を失った代償は今後必ず大きな痛手となって彼ら彼女らは5年後10年後に大人になることと思います。もちろん失った時間は元通りにはできませんが、代わりとなるような事を提供したり、我々のような「子を持つ親世代」にその機会を与えたりすることで、もっと子どもに寄り添ってあげる社会に我々大人たちがしなくてはならない。そう決意しました。

 2020年において自ら命を落とす若者の数が2000年以降最多というデータも少なからずこれに付随していると考えます。社会問題として取り上げられる「少子39高齢化問題」は高齢化が問題なのではなく、少子化が問題なのはご承知であるかと存じます。

 今、我々のような青年団体が「明るい豊かな社会を築きあげる」には「子どもを最優先」に動くことと考え、「こどもファースト」とスローガンにさせていただきました。ウイルスは高齢者と若者との距離を遠ざけました。私共の活動がこの距離を少しずつでも縮められるよう、以下の3つの事を邁進していきます。

【子どもに向けた活動や発信をする】

 「子どもに向けた活動」とは経済的な支援をするというものではなく、子どもに寄り添う事業や活動というものを各委員会に落とし込み、展開していき、「子どもたちとの距離がもっとも近い大人の組織」を目指します。具体的な活動内容については各委員会で話し合っていただいた内容を楽しみにしたいと思います。

【持続可能な組織運営の整備】

 50年という歴史の中で社会は様々な変化をされてきました。高度経済成長、バブル崩壊、少子高齢化、ITの普及、そして女性が社会で活躍する世の中となりました。これまでにも社会情勢によって様々な変化をされてきたと思います。近年ではオンラインで会議をすることがスタンダードとなりました。それにより家庭で育児をしながら会議に参加することや家族旅行中にも会議に参加することが可能となりました。社会全体がデジタルトランスフォーメンションに移り行く中、我々青年団体としても取り入れていく必要が大いにあると考えます。「変わらないために変えていかなくてはならない」これからも寒川青年会議所が寒川町で必要となる団体であり続けていくために、今一度、時代にあった組織運営の在り方を考え直していきたいと考えております。

【子育てに優しい青年会議所を目指す】

 20代、30代には子育てをしている者が多く、現に我が青年会議所メンバーの4分の3以上は乳幼児~中学生くらいまでの子どもを育てながら活動しおります。

 そんな中で青年会議所活動が子育てに影響してしまうことは言語道断であります。在宅での会議および事業への参加、また子どもを連れての参加、などが当たり前にできるよう、現メンバーたちがここでの活動を通してより家族との絆が深められるような運営を目指して参ります。

【最後に】

 今年「20名」のメンバー増加を目標といたします。人口の減少とともに会員数は減少傾向にあるというのが現状でありますが、この町に青年会議所という組織はなくてならないと思っております。そのためにもこれまで通りの活動だけでは減り続けることはなかなか避けられません。新しいことにチャレンジし、若いメンバーの意見を尊重し、この組織の「活動の魅力」を現代の若者に発信しつづけ、必ず達成することをお約束いたします。

 そして50周年での式典ではこれまでの歴史を振り返らせて頂ける大変大きな機会です。50年後の未来はなかなか想像でき兼ねますが、5年後、10年後の未来を見据え活動して参ります。まだまだ未熟者ではございますが、何卒ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます